【優しさ】そこに下心があると疑い恥じた夜

ひとりごとコラム

チビ丸には優しい子に育って欲しいといつも思っています。
だから「優しさ」とはどいうことなのか、いつも彼女にそうしてあげたり、彼女が友達などに対してわがままになったときは、どうしたらその友達が気持ちよく一緒に遊べるか、きちんと教えます。

中でも特に、チビ丸に対してそうすることで、チビ丸自身に「優しくされることがどんなに相手にとって嬉しいことなのか」教えてあげようとしています(しつけはまた別です)。

デカ丸は家で飲むとき、たまにリビングで寝込んでしまいます。それがとても気持ちいい。なんなんでしょうね。あれ。寝室で寝たほうがあきらかに体は楽なのに。

ある晩、案の定リビングで大きなクッションを抱いて眠ってしまったとき、とんとん、と肩をたたかれ、ふと目をあけると顔の目の前にチビ丸がいました。一瞬、妻かと思ったのですが。

チビ丸はじっとデカ丸の顔を見つめ、とても優しい声で「ここで寝たらダメだよ。ベッドルームにつれていってあげる」といって、小さな両手を差し出しました。

しかしまだ午後8時すぎ。こんな時間に本気で寝たら、デカ丸、午前4時ごろに目が覚めてしまいます。ここで30分ほどうつらうつらして、また少し飲んでから寝ようと思っていたので「大丈夫だよ、ありがとう」というと、チビ丸が「絵本読んで」。しかし、デカ丸、さすがに酔っ払っていて絵本を読む気力はない。

「ごめんね、パパほんと眠いから、明日読んであげるから。絶対に」というと素直に「わかった。じゃ、明日は2冊読んでね」といって寝室へと去って行きました。

このとき、思ったのです。さては、チビ丸は「絵本」目的での優しだったのか!?と。

 

その翌日、寝る時間がやってきました。

絵本のことは忘れているだろうと思ったのですが…「パパ、きのう絵本読んでくれるって約束したよね!2ね!」

ちゃっかり覚えておりました。むしろ「絵本を読んでもらう」ことにこれだけの喜びを感じてくれるなら、むしろこっちが喜んで読んであげたくなりました。

そして無事2冊読み終え、寝かしつけようとしたのですが…まったく寝ない。

明かりを決して、いつの間にかデカ丸は寝てしまい、その後ふと目がさめたときとなりから聞こえてきたのは、チビ丸の歌声。デカ丸が落ちてからおそらく30分はたっていたと思うのだけれど、まったく寝るそぶりがない。普段昼寝はしないのだけれど、この日は外で1日中遊んだ後、夕方少し寝ちゃったんですよね…疲れすぎて。おそらくそのせいで微妙に体力がチャージされてしまい、まったく眠くなさそう。

あちこちゴロゴロ動き回り、ずっと歌っているものだから…さてどうしたものか、ここで「早く寝なさい!」と一喝すべきか、と、デカ丸が寝たふりしながら寝返りをうったそのとき…チビ丸がさっと、デカ丸に布団をかぶせてくれました。きちんと肩から足まで。

そして何事もなかったように、また歌い出しました。

こんなことされたら、一喝できないですよね…苦笑

そして、ああ、この子にはちゃんと「優しさ」というものが身についているな、と思い、前日の夜、下心があるのではないかと疑った自分を恥じたのでした。

その後…自然に眠くなるまでまってあげようと、目を閉じたらふたたびデカ丸は落ちてしまい、1時間くらいたったあとふと目を覚ますと、デカ丸の腕をつかんでスヤスヤとチビ丸は寝ていました。

そして、そっと腕をとき、ベッドから起き上がり、このときの出来事を忘れないようにと、いまパソコンにむかっているのでした。

 

 

 

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