不妊治療はお金がかかります。
収入によって自治体や国からの補助金が出る場合がありますが、それはおいておいて、とにかくお金がかかります。
とある出張取材で仕事を終え、夜、一息ついて顔見知りのカメラマンと飲んでいる時、不妊治療の話をしました。
当時、我が家は治療まっただなか。なかなかうまくいってないなか、愚痴をだれかに聞いてほしかったんでしょうね。
僕よりいくつか年上の優しいカメラマンは「うんうん」と聞いてくれて、最後にこういいました。
「実はね、うちもやってたんだよ。でも、もうお金がもたなくなってやめたんだ」
と。さらに、
「お金ももたないし、それに加えて妻の精神がもうもたなかった。だから、うちは、きれいさっぱりやめたんだ。いつか、やめる、という決断をするのも、大事だよ。うちはそれで平穏を取り戻した」と。
3年におよぶ不妊治療。どんなに低く見積もっても数百万円で済む話ではありません。さらに時間や体力も削ってかよいつづけて、でも、できない。前にもこのコラムでお伝えしましたが、男と女の不妊治療に対する考え方や思いにはズレがあるとデカ丸は思っています。だから、この先輩カメラマンの奥さんは、デカ丸が想像するよりもはるかに、精神的に疲弊していたんだろうなと思います。
「こどもがほしい」でも「できない」さらに「お金がかかる」。この狭間で苦しんでいる間に、いたずらに時間も過ぎていくのですから。
では、いくらかかるのか。
私たちが通院した「加藤レディスクリニック(東京・新宿区)」の体外受精のケースをみてみましょう。
これは6年前の税込価格の資料になるので、いまは変わっている可能性がありますが、ま、これ以上安くなっていることはないでしょう。
まず基本的にかかるもの。
採卵に147,000円。
精子調整、受精させるための手順として63,000円。
培養(受精を確認)として21,000円。
胚移植73,500円。
ここまでで約30万円。
なんだ、さんざんあおっておいて、これで済むの?とおもったひともいるでしょう。
しかし、これはあくまで基本的にかかるものです。
もし…受精させるタイミングで男性が病院に行き、精子を提出できなかったら…
採卵するも、卵子が得られなかったら…
途中で培養が止まってしまったら…
すべてうまくことが進み、転院となった場合…「成功報酬」が…
いろいろなプラスアルファな出費が重なるからこそ、もはや青天井なんじゃないかと思えるほど多額の費用が必要となってくるのです。
基本額を抑えたところで、次回は不足の多額の出費をみていきます。
不妊治療にかかる出費。なめてはいけません。
単純に、自分の月収と比較したらほんと憂鬱な気分になります。
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