【サンタ】手紙の返事は書いてはいけません

ひとりごとコラム

デカ丸が小学校低学年だった時。

クリスマスイブ。どうしてもサンタをみたくて、頑張って起きているんだけれど…どんなに頑張っても、いつの間にか寝てしまう。

そして朝起きると、ひんやりと冷たい包装紙につつまれたプレゼントがベッドの足元においてある…

いまでもはっきりと覚えているんです。クリスマスの朝…「あ!寝てしまった!」と飛び起き、そして足元をみると…「プレゼントがある!いつのまに!!!!」

一体、どうやってサンタはこの家に入ってきて、プレゼントを置いていくのか…戸締りもしっかりしているのに、どこから音もなく入ってくるのか。

どうしても自分は寝てしまう。でも、どうにかしてサンタをみてみたい。

その翌年、手紙を書くことにしました。あなたはいま、どこからきて、どこへいくのか。

窓際においておいて…迎えた翌朝…

手紙はなくなっていました。でも、返事はありませんでした。

ますます謎が謎を呼びます。なぜ返事をくれなかったのか。しかし、手紙がないということは、おそらく読んだということ…しかし、返事がないから「サンタ」という存在を間接的にも確かめられない…

その翌年。

サンタがいるのかどうか。いつの間にきて、そして去っていくのか。証拠をおさえることのできるチャンスは年に一度。どうにかして証拠を押さえたい少年・デカ丸は、手紙とともにハサミを窓際に置くことにしました。

「髭を切っておいておいてもらえませんか」

あれだけ髭があるのだから、すこしくらい切ってくれてもいいだろう…

そして迎えた朝…手紙とハサミは消え…髭もありませんでした。

またしても失敗です。なにがあってもサンタは証拠を残さない。

その後…どんな手紙を書いても、決してサンタは返事を書かず、証拠も残さず、いつの日か、消え去ったのでした。

 

神秘性を高めるという意味では素晴らしい。

 

なぜなら…それから30年近くたった、今年のクリスマス。

チビ丸はサンタに手紙と、お茶とお菓子を置いてぐっすり寝て…翌朝起きたとき。

そのテーブルの足元にはプレゼントが。そして、驚くべきことに、テーブルの上にはサンタからの手紙があった‼︎のに…「こんばんは。いつもいいこでかわいいね。サンタより」と、ちゃんとチビ丸の年齢でも理解できるように至極簡単に、でも愛がこもった手紙があったのに…さして驚きもせず、至極普通にその存在を受け止めて、真っ先にプレゼントに向かったのでした。

すなわち。

やはり、神秘性が必要なのです。その姿、形、証拠がないからこそ、想像力でその存在を信じられる。

 

デカ丸は、サンタに「まだ5歳。記憶はおそらくのこらない。来年は手紙を残すなよ」と強く言い聞かせたのでした。

 

 

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