【軽井沢】深夜にそんなことが起こるはずがないのに

ひとりごとコラム

いよいよ、前回書くつもりだったお話。そもそも、この話を書こうと思ったら、20年近く前のホラーを思い出してしまったのですが。

私たち一家が軽井沢で泊まるのは、毎回、会社の保養所です。

広大な1000坪の敷地内に、築30年くらいの本館と、できて数年の綺麗なコテージがあって、コテージの方は大人気。早いもの勝ち状態で、ほぼ毎週末予約で埋まっています。やっぱりプライベートな感じが人気なんですよね。

私たちも、泊まるとしたら毎回コテージで、本館は泊まったことがありませんでした。

10部屋ほど、10畳の和室があるのですが、いつも空いています。

建物は古い旅館のよう。部屋はとても綺麗にしてあるんですけどね。築年数が古いと、どうしてもいろいろなところに古さというか、建物のもつ空気、存在というものが作られていきますよね。

さて先週末、金曜日はコテージの予約がとれたものの、土曜日がとれませんでした。なので、二泊目はいつもガラガラの本館のほうを予約したのです。

もちろん、ほかに宿泊客はいません。

がらーんとした大きな建物の、廊下の突き当たりにある私たちの部屋。それ以外の部屋はすべて扉が閉ざされ、空室です。

私たちの部屋は畳を張り替えたばかり、ということでイグサのいい香りがして、快適でした。

食事を終え、部屋でくつろぎ、娘を寝かしつけるために午後8時に消灯。もちろん、デカ丸はそんな時間に寝て朝まで眠れるはずがなく、午後10時に目がさめてしまい、仕方なく部屋の片隅でスマホをいじりながらひとりで飲み始めました。

やがて午前1時を過ぎた頃、お酒も尽きてしまい、でも飲み足りなかったから、ふらっと部屋をでて、廊下に非常灯だけがついている、しんと静まり返った真っ暗な本館の中を歩いてロビーにある自販機までいったんです。

自販機には…肝心のお酒がなく、すべてソフトドリンクだったので「もう諦めて寝るか…」と部屋に戻ったのですが、その物音でチュウ丸が起きてしまいました。

バトンタッチです(苦笑)

デカ丸は眠くなり、そのままスヤスヤ。あとで聞いたら、チュウ丸はその後眠れなくなってしまい、布団のなかでスマホをいじってしばらく起きていたとのこと。

異変がおきたのは、それからしばらくたった午前3時頃のことのようでした。

廊下から女性の話し声が聞こえてきたそうです。ひとりは確実に女性。もうひとりは男性か、女性か。とにかく、雑談のような話し声だったとのこと。

はじめは「どこかのテレビかラジオなのかな」とおもったそうですが、いくつも部屋があるとはいえ、泊まっているのは私たちだけ。管理人の方々は本館の端の2Fの部屋。私たちは1Fのその真反対側。たとえ起きていたとしても、声はおろか物音が聞こえる距離ではありません。

なにより、聞こえてきたのは廊下から。

チュウ丸は「なんだろう?」と思った程度だったとのこと。その後、しばらく”会話”は続き、やがて声の主たちは通り過ぎていったように、聞こえなくなったそうです。

でも、翌朝その話を聞いてしまったデカ丸は、気になって仕方ありません。

だって、午前1時すぎに真っ暗な本館の中をひとりあるき、自販機までいったときに人影などあろうはずがなく、物音ひとつしていなかったのに、その2時間後に女性の話し声が聞こえてきた、なんて。もちろん、すべての出入り口は施錠されています。午後10時に。だから、もちろん外から人が入ることは不可能です。

管理人のおじさんは、2018年10月に着任された方。

朝一で聞いてみました。

「そういえば、妻が午前3時ごろ、女性の話し声を聞いたといったいたのですが、誰か起きてました?」

おじさんは「うーん」とうなったあと、ひとこと。

「そもそも女性がいません」

従業員は管理人のおじさん含めて三名。全員男性。本館にいた女性は、我が家以外にいなかったのです。

ということは…

 

本館がいつも空いている理由ってまさか…

 

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